ナイロンザイル(切断)事件
久しぶりに徳沢で遊んだので、ここにちなんだ問題。1955年1月2日、前穂高東壁を登攀中の岩稜会・若山五郎が当時出回り始めた新品の8㍉ザイルが切断して撃死した事件。若山五郎の兄で名古屋大学工学部出身の石岡氏が公開実験で1トン以上の抗張力がある8㍉ナイロンザイルが、鋭利の岩角で簡単に切断されることを実証した。これが社会問題になり、井上靖が小説「氷壁」として朝日新聞に連載し、この徳沢が一般の人にも有名になった。また、ロープの安全基準が制定される切掛けとなったエポックメイキングな事件である。
山岳小説で最も有名な「氷壁」と、「井上靖」、「前穂高岳」のキーワードは昨年の問題にも出た、押さえておこう。