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高熱隧道

吉村昭の「高熱隧道」を読み終えた。黒部第三発電所の隧道工事の男たちの人間ドラマで、極限状態における人間の姿を描写した記録文学だ。その中で、黒部渓谷の志合谷(黒部市)のホウ(泡雪崩)の凄まじさが描かれている。コンクリート製の作業員宿舎が対岸まで600m吹き飛ばされ、84人の犠牲者を出した。この本の中では「泡雪崩は、異常に発達した雪庇の傾斜に新雪が降った折に発生するが、一般の底雪崩のように雪塊の落下ではなく、雪崩れる際に、新雪の雪の粒と粒との間の空気を異常なほどに圧縮するものである。そして、突然障害物にぶつかると、その圧縮された空気が大爆発を起こし、爆風は、音速の三倍毎秒1000m以上の早さを持つ可能性が生まれる・・・」。一般的には、多量の降雪を伴う吹雪の時やその直後の積雪が安定しないときに起きやすい大規模な煙型表層雪崩のようだ。

Category: ヤマケン図書室