熊さんの問題
3月23日に日本山岳会科学委員会のフォーラム「登山を楽しくする科学」に参加、茨城県自然博物館動物研究室主席学芸員・山崎晃司先生のお話を聞いた。とてもためになったのでメモしてみました。詳しくは「日本クマネットワーク」のホームページで研究してみてください。熊って、意外に面白い。http://www.japanbear.org/cms/クマネットワークのサイト
○ツキノワグマの生息分布は、ブナやナラ類の落葉広葉樹林帯の分布と一致している。
○日本に分布するニホンツキノワグマは環境省(2002)レッドリストで、四国、中国、紀伊半島、下北半島地域個体群が絶滅の恐れのある個体群とされている。九州では1940年頃、絶滅したと考えられている。
○冬眠は寒いからではなく、餌がないから冬眠するので、冬眠していても、熊はすぐに動ける。
○熊は木登りが上手で、樹上で採食や休息を行う。樹上の採食の際に、枝を鳥の巣のように折りこむ「熊棚」がよく知られている。
○本州では毎年、1000~2000頭のツキノワグマが有害捕獲によって捕殺されている。
○関東地方でも、千葉県をのぞく一都五県にツキノワグマが恒常的に生息している。茨城県については、近世に一度姿を消したが最近出没が認められている。