ヤマケンの問題出題者の一人である樋口一郎さんが『鎌倉&三浦半島 山から海へ30コース」東京新聞発行を出した。東京近郊の日帰りコースだが単なるコースガイドではなく、東京近郊にもちょっとした秘境があって歴史を振り返りながらハイキングを楽しもうという著書だ。
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身近な秘境と歴史の山歩き『鎌倉&三浦半島30コース』
これさえ読めば、合格間違いなし!
山の知識検定公認ブック『安全登山の基礎知識』が発売されます(10月8日全国の書店で発売予定)
合格への安全・確実・最短ルートを山の第一人者が凝縮指南!ヤマケンの過去問付き。
全国の書店で発売中。発売元:スキージャーナル株式会社 A5判、168ページ、1800円+税 ヤマケンのwebサイトからも購入出来ます。
富士山のオキテ
富士山の山開きが7月1日。たまには富士山の本でも読んでみようと「富士山のオキテ」を手に取った。世界遺産になった富士山とその周辺の構成資産を解説しているのだが、富士登山に必要な装備や服装についても満載です。今年富士山に行く方は必読の書。
[富士山のオキテ」 工藤隆雄著 新潮文庫
この中に[富士登山のための10箇条]がある。安全登山の心得だから転載してみます・
第1条 富士登山を畏れよ
第2条 きちんと情報を集めよう
第3条 装備を点検しよう
第4条 体調を万全にしよう
第5条 事前に山を歩こう
第6条 注意して歩こう
第7条 余裕を持って歩こう
第8条 無理だと思ったら下山しよう
第9条 マナーを守ろう
第10条 その後も山に親しもう
登山とは文化的行為である。
お天気が悪いので山に行くのはやめて、本屋で山の本でも買ってこようと出かけた。[山]その日この人、というタイトルの少し分厚い本を見つけた。著者の斉藤一男氏は日本山岳文化会を創設した登山家です。以前は山岳同志会を主催し、日本山岳協会会長を務めていた日本の山岳会を牽引してきたリーダーです。
[山]その日この人 斉藤一男著 論創社
登山が文化的行為だった時代が遠く過去になってしまった現代、登山とは何かをあらためて考えてみよう。
山に登る前に読む本
大人の山岳部
『富士の山旅』
最近、ふと取った本に『富士の山旅』服部文祥著(河出文庫)がある。サバイバル登山家の服部文祥が富士山のことを書くのが何となく不思議だったからだ。服部文祥氏は『岳人』の編集に関わり、自らサバイバル登山を実践している登山家で、これまでも彼の本をおもしろく読んでいたからだ。この本は富士山について書かれた先達の名文をダイジェストにして紹介してくれる。ここに取り上げられている本は富士山を愛してきた文人の本ばかりである。あらためて富士山の魅力を発見できる本だ。
我学びて、山に登る。
『日本の秘境』岡田喜秋著(ヤマケイ文庫)
ヤマケイ文庫から『日本の秘境』が復刊された。著者の岡田喜秋氏は雑誌『旅』の編集者として、日本の山・谷・湯・海・などを丹念に歩いた紀行作家で往事、秘境ブームを引き起こした。ここに書かれている時代は昭和30年代の旅の記録で、日本の高度経済成長の陰で失われていく日本の風景を描写している。私たちが簡単に登る苗場山、酸ヶ湯温泉も取り上げられ、往事の登山の大変さが忍ばれる。
我学びて、山に登る。
高熱隧道
吉村昭の「高熱隧道」を読み終えた。黒部第三発電所の隧道工事の男たちの人間ドラマで、極限状態における人間の姿を描写した記録文学だ。その中で、黒部渓谷の志合谷(黒部市)のホウ(泡雪崩)の凄まじさが描かれている。コンクリート製の作業員宿舎が対岸まで600m吹き飛ばされ、84人の犠牲者を出した。この本の中では「泡雪崩は、異常に発達した雪庇の傾斜に新雪が降った折に発生するが、一般の底雪崩のように雪塊の落下ではなく、雪崩れる際に、新雪の雪の粒と粒との間の空気を異常なほどに圧縮するものである。そして、突然障害物にぶつかると、その圧縮された空気が大爆発を起こし、爆風は、音速の三倍毎秒1000m以上の早さを持つ可能性が生まれる・・・」。一般的には、多量の降雪を伴う吹雪の時やその直後の積雪が安定しないときに起きやすい大規模な煙型表層雪崩のようだ。